毎年何人の方が、労働災害によってケガや病気をするかご存知でしょうか。
近年では毎年11万人以上の方が被害にあっています。
企業は全国に約382万社、これを見ても決して数値は低くありません。


労働災害は自社でも起こり得ることと捉え、事前に対策を施すことが経営者の務めでもあります。
賠償金額が1億円を超えるような判例もあります。しっかりと防止策を講じておきましょう。

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安全配慮義務

近年、安全配慮義務という言葉を聞く機会が増えてきています。
これは労働者の生命・身体の安全を確保しつつ労働できるよう、使用者が配慮する義務のことです。
この義務を怠って労働者に損害を生じさせてしまったときは、民事上の損害賠償義務が生じてきます。


安全配慮義務違反について民法上では細かな規定はありません。
労働契約法第5条では
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体などの安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする』
と明文化されていますが、抽象的な一般条項です。
通常は下記3条件が該当するといわれていますが、判例などの積み重ねによってより具体的になってくるだろうと思われます。

予見の可能性…事故や疾病などによる損害の発生を予測できた可能性がある場合。

結果回避義務違反…事故や疾病などによる損害の発生を回避する手段があったにもかかわらず、手段を講じなかった場合。

因果関係…安全配慮義務違反と事故や疾病などにより発生した損害との間に因果関係が認められた場合。

出典:「安全配慮義務」(厚生労働省 職場のあんぜんサイト)

http://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo60_1.html

(厚生労働省 「職場のあんぜんサイト」のウェブサイトにリンクします。)

事業者は労働者の職種や労務内容、労務提供場所などの状況に応じて、
必要な配慮をすることが求められています。

 
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◆労災保険の認定基準

労働災害には業務災害と通勤災害があり、それぞれに認定基準があります。
以下にその概要をご紹介します。

 

◎業務上の負傷

(1) 事業主の支配・管理下で業務に従事している場合

  所定労働時間内や残業時間内に事業場施設内において業務に従事している場合の災害は、
  特段の事情がない限り、業務災害と認められます。

(2) 事業主の支配・管理下にあるが、業務に従事していない場合
 
休憩時間や就業前後に発生した災害は、業務災害とは認められません。

(3) 事業主の支配下にあるが、管理下を離れて業務に従事している場合

  出張や社用の外出など事業主の管理下を離れてはいるものの、事業主の命令を受けて仕事を
  しているときは、一般的に業務災害と認められます。

◎業務上の疾病

  一般的に次の3要件が満たされる場合には、原則として業務上の疾病と認められます。

(1) 労働の場に有害因子が存在していること

  業務に内在する有害な物理的因子、化学物質、身体に過度の負担のかかる作業、
  病原体などの諸因子を指します。

(2) 健康障害を起こしうるほどの有害因子にさらされたこと

(3) 発病の経過および病態が医学的に見て妥当であること

◎通勤災害

通勤災害とは、通勤によって労働者が被った傷病等をいいます。
この場合の通勤とは、就業に関し、
(1)住居と就業の場所との間の往復
(2)就業の場所から他の就業の場所への移動
(3)単身赴任先住居と帰省先住居との間の移動
を、合理的な経路および方法で行うことをいい、業務の性質を有するものを除くとされています。
移動の経路を逸脱または中断した場合は、通勤とはなりません。

[出典:厚生労働省「労災保険給付の概要(平成28年発行)」より要約]

*詳しい認定基準や具体的な相談については、最寄りの労働基準監督署へご相談ください。


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◆労働災害が発生した際の義務

万一労働災害が発生した場合、事業主は労災保険委よって労働基準法上の補償責任を免れます。
ただし労働者が休業する際、労災保険が給付されるまでの3日分の休業補償(平均賃金の60%)は、
事業主が直接労働者に支払う必要があります。


また場合によっては、これとは別に、被災者から安全配慮義務違反などの事由により
民法上の損害賠償請求がなされることもあります。
例えば過重労働によりうつ病を発症して自殺した社員の遺族が、会社に対して損害賠償を請求。
最終的に会社側は合計1億6800万円を遺族に支払うことで和解となりました。


更に、労災事故が発生した際に労働基準監督署への事故報告を怠ったり、
虚偽の報告を行った場合は刑事責任が問われることがあります。
また、刑法上の業務上過失致死傷罪等に問われることがありますので、十分ご注意ください。

参考: 東京都労働相談情報センター 「使用者の安全配慮義務」の判例:

http://www.kenkou-hataraku.metro.tokyo.jp/mental/line_care/law/abor.html

(東京都労働相談情報センターのウェブサイトにリンクします。)


最近の安全配慮義務違反による高額賠償事例(工事現場) http://www.jiji.com/jc/article?k=2017052900961&g=soc
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労働者を一人でも雇用していれば、業種・規模を問わず労災保険に加入しなければなりません。
労災保険は本来、被災労働者の社会復帰の促進や擁護を目的するものですが、
結果として事業主を守る制度ともなり、企業の存続を支える保険となっています。


安全運転を心がけていても不慮の事故に巻き込まれることがあるように、
万全の事故防止対策を施していても、労働災害が発生してしまうこともあります。
必ず労災保険に加入した上で、事故防止するための安全・安心強化策を講じましょう。

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